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「QED 百人一首の呪」(読了)
高田崇史氏の「QED 百人一首の呪」を読みました。

感想は・・・「冗長すぎる!」でしょうか?解説を書いている西澤保彦氏は「(お勉強ミステリのような)『付け足し感』はまったくない」と記述しておりますが、果たして一般読者はそう思うでしょうか?

私は正直百人一首曼荼羅の解説のところは途中からページを飛ばして読みました。結果、最期の種明かしに支障があったかというと、全く無い。これは「付け足し」の何者でもないような気がしてなりません。

トリックとしての百人一首がかもし出す期待感や謎解きのロジックについては特別加点するような点もありませんが、まぁ普通に読めましたが、いかんせん中心となる「解説」が冗長すぎました。知識の深さ(もしくは事前調査の精緻さ)は十分理解できましたが、ミステリという読み物としては過分な解説でしたし、もっとも致命的なのはそこまでページを割いて作り上げた曼荼羅が、犯人を特定するキーとは直接成り得ていない点でしょう。巻末に添付されている完成版百人一首曼荼羅は全く不要(研究者意外の通常のミステリ読者であれば)に思えてなりません。

論点がずれるかもしれませんが、「ダヴィンチ・コード」がヒットしたのは、昔から連綿と続いている謎に対する程よい解説(一般人が食傷しないギリギリのレベル)を要所で最大のヒントとして使うことで、ミステリとしての面白さ(ダヴィンチコードの場合はハラハラドキドキ感)を相乗効果で高めていったからでしょう。知識欲を満たしながらエンタテイメントとしての軸はぶれていなかったからこそ、幅広い読者を獲得したと考えられます。

本書は「百人一首に込められた暗号」という日本における同じような題材をベースにしていながら、エンタテイメント感がイマイチであったと思われます。それはやはり「解説」の多さ(もっと端的にいえば読むのがめんどくさい部分)故と思われます

シリーズモノのとして、次巻を読むかどうか、思案のしどころです。
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【2006/11/01 13:38】 | 読書 | トラックバック(1) | コメント(0) | page top↑
週末の購入本。
Amazonにて以下2冊を購入。




本当は明日から通勤本に使うつもりでしたが到着が明日以降になってしまったので、明日は何か過去本から漁って行きます。








【2006/10/22 23:10】 | 読書 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「顔」(読了)
横山秀夫氏の「顔 FACE」を読みました。


横山氏の作品は「第三の時効」「半落ち」「動機」「陰の季節」なども読んでありますが、重厚にして決して硬すぎない文章とその表現力には毎作品圧倒されてしまいます。特に「第三の時効」の表題タイトルの短編は、どんでん返し×2で息も詰まる思いで読みました。

横山氏の描く警察小説の舞台は、完全なる男社会&階級社会。ヒリヒリするような描写である意味荒んだ世界が展開されますが、その広漠とした中にも一滴の雨粒を感じさせるような結末が余韻を持ってすっと胸に落ちるのが、氏の警察モノが非常に読み応えのある作品になっていると思います。

もちろん、ミステリとしての純粋な面白さも当然あります。ただ出てくる人たち皆都合よく、妙に勘が鋭すぎるように思うのですが・・・。

【2006/10/19 21:46】 | 読書 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「そして誰もいなくなった」(読了)
アガサクリスティ著の「そして誰もいなくなった」を読み終わりました。タイトルはずいぶん前から知っておりましたがこのタイミングでようやく読むことができました。

クリスティの傑作として名高い本書ですが、なるほどミステリのスパイスを随所に感じられる面白さでした。相関なく孤島に集められた客人、不気味な予告、暗示的な童謡とその通りに実行される殺人、そして最期の告白・・・。

全体のボリュームはそう多くないなかでバランスよくこれらの要素が展開されているため、非常にまとまりの良い作品に仕上がっていると感じました。一つ一つの事件や各人の心理描写、背景説明などが過剰でなく(むしろ淡白過ぎるくらい)最低限のものに抑えられているからこその読みやすさ、それゆえの面白さだと思います。

ただどうしても翻訳モノの宿命-文章のぎこちなさ-は、作品世界に没入している頭を瞬間的に現実世界へ戻してしまい、止むを得ないこととわかりつつも残念な点ですね。やはり原本の書かれた言葉(言語)や歴史的背景、生活風習などのバックグラウンドがあって初めて100%の面白さが味わえるのでしょうね。翻訳者の方の苦労が忍ばれます。

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余談ですが、殺人の告白レコードの場面で「かまいたちの夜2」を思い出した人は私だけではないはずです。


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【2006/10/13 23:54】 | 読書 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「ハサミ男」(読了)
殊能将之氏の「ハサミ男」を読み終わりました。タイトルから感じられる「異様さ」に「殺戮に至る病」的な衝撃感を期待して読んでいったのですが、結果読了後は消化不良感が大いに残った作品でした。

まず(結果的に)「ハサミ男」のタイトルでミスディレクションを誘うのが安直に思えてしまいます。またサイコミステリを演出するため”だけ”に登場する別人格の存在も、あまり意味があると思えません。というよりむしろ要素的にはもっときちんと説明すべき事項(狙われた少女たちのヒストリやターゲット特定までの心理描写、殺害という結末へ至る状況説明など)があるような気がします。

何よりハサミ男ハサミ男たる所以をもっと本編で掘り下げてほしかったと思います。なぜ凶器はハサミなのか?執拗なまでに研ぎ澄まされて先端にはどんな思いが込められているのか?そしてなぜハサミを突き立てるのか?

叙述トリックとしての結末も決して意外な種明かしではなかったし、正直後半は読むのがちょっと退屈してしまいました。

結論、私にはイマイチの作品でした。








【2006/10/12 22:05】 | 読書 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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